YouTube
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文:Stephen Shankland(CNET News)翻訳校正:編集部 2010/05/20 07:54
Googleは米国時間5月19日、オープンソースでロイヤリティフリーのビデオフォーマット「WebM」を発表した。MozillaおよびOpera が、同エンコーディング技術を自社のブラウザでサポートすると表明しており、Googleは、同社のYouTubeサイトで対応すると約束した。
「WebMプロジェクトは、すべての人々が無料で利用できる、ウェブ向けの高品質なオープンビデオフォーマットを開発することを目的としている」と WebMのウェブページには記されている。予想されていたとおり、Googleは19日、Google I/Oカンファレンスと連携してこの取り組みを働きかけた。
WebMの提供によって、Googleがどれだけの成功を収められるかはまだわからないが、同社には、ウェブに対する大きな野望、強力なブランド、 YouTubeの高い人気に支えられる絶大な影響力、そして、WebMプロジェクトを妨げる法的な脅威があってもそれに対処できるだけの莫大な資金がある。
Googleは、自社以外のサポートも発表した。「2010年5月19日にリリースした『VP8』とWebMの仕様は正式なものであり、すべての人々に対し、これらをアプリケーション開発に使用することを推奨する。Google、Mozilla、およびOperaの3社すべてが、自社のブラウザに WebMサポートを追加し、5月19日以降にYouTubeにアップロードされる720p以上のすべての動画は、HTML5実験の一環としてWebMでエンコードされる予定である」(Google)
同フォーマットは、Googleが2010年2月にOn2 Technologiesから手に入れたVP8技術をベースとする。また、オーディオ技術「Ogg Vorbis」も使用している。これも元々はOn2が開発したものである。
ビデオをエンコードおよびデコードするためのこの「コーデック」技術は、H.264に競合するものである。H.264は、Appleと Microsoftが好んで使用しているが、ライセンス料が高く、制約も厳しく、オープンソースソフトウェアでは使用されていない。こうしたオープンソースソフトウェアとしては、Mozillaの「Firefox」やGoog leの「Chromium」が挙げられる。Chromiumは、Googleの「Google Chrome」ブラウザの基盤となっているオープンソースプロジェクトである。
Apple、Microsoft、Opera、およびMozillaからは、本件に関する即座のコメントはなかった。
Googleはまた、WebMのソフトウェア開発キット(SDK)、ライセンスガイド、ソースコード、FAQもリリースした。
GoogleはOn2 Technologiesの買収に際し、「高品質なビデオ圧縮技術はウェブプラットフォームの一部であるべきである」と主張していた(Googleは、もう1社、ビデオ会議およびVoIP(voice over Internet Protocol)に関連する技術を専門とするGlobal IP Solutions(GIPS)の買収手続きを現在進めている)。
現在、ウェブビデオの処理に最も多く使用されるプレーヤーはAdobe Systemsの「Flash」である。Flashでは、H.264コーデックによってデータを処理している。Apple、Mozilla、 Microsoft、Google、Operaなどのウェブブラウザメーカーは、新しいHTML5ビデオ規格によって、ビデオを、Flashなどのプラグインを使用することなく、直接ウェブサイト上に作成したいと考えている。
しかし、HTML5は、特定のコーデックを指定しておらず、どのコーデックが最良であるかについてはブラウザメーカーらの意見が一致していない。 MicrosoftとAppleは、H.264を推進しているが、MozillaとOperaは、H.264を好まず、VP8の何年か前の前身である「VP3」をベースとするオープンソースの「Ogg Theora」コーデックを推進している。GoogleのChromeは、その中間の立場をとり、Ogg TheoraとH.264の両方をサポートしている。そのため、現時点では、HTML5ビデオの使用を検討するウェブ開発者らに対し、多くの不確定な要素が存在する。
Googleのエンジニアリング担当バイスプレジデントを務めるVic Gundotra氏は、WebM発表後の記者会見で、「多くのビデオコーデックが、特許権やライセンス料について、不確定な要素に悩まされている」と述べた。「ウェブには、オープン規格が必要である」(Gundotra氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
(wikipedia参照)