『苗半作』とは、稲作に昔から伝わる言葉で、苗の出来により作柄の半分が決まる、という意味で使われています。
そのために、「ポット育苗」と「尺角疎植」を選択して平成4年より開始致しました。
(平成3年に大仁の自然農法大学校で「稲葉光圀」先生の授業を受けて決断)
ポット育苗(ぽっといくびょう)とは、448個(14×32穴)の区切られた播種穴がある育苗箱(大きさ30×60cm)で育苗する方式です。一穴当たり、1~3粒まきにすると、1箱15~40gの超薄播きとなり、茎の太い成苗を容易に育苗できます。また、1穴で育った苗を土ごと抜いて植えるため、根傷みがないため非常に活着が良く、1号分けつから確実に発生するようになります。
そのためポット苗は、疎植・元肥減肥で目標茎数をゆっくり確保し、出穂前45~40日の茎肥で生育中期を旺盛に育てる太茎・大穂のイネつくりに適しています。
尺角疎植で栽培するとおいしいお米ができます。尺角疎植は、1株当たりの株の間隔をあけることで太くて丈夫な茎を育てる栽培方法です。尺角疎植には次のようにメリットがあります。
疎植の稲は太い茎になります。太い茎は太い維管束をつくります。管束の数と一次枝梗の数は同じです。一本の維管束は一本の枝梗につながっており、養分や水分の通り道となる維管束が大きいと枝梗につく籾の数が多くなります。また、籾へのデンプンの蓄積が 旺盛になり、相対的にタンパク質の比率が抑えられます。
また、疎植の稲は株間が広く開帳型に育つため、太陽光が株元まで行き届き、光合成が促進されます。すると、デンプン生産が旺盛になるため、食味が向上し、乳白米が発生しにくい稲に生長します。また、株元の風通しがよく、病害虫に強い環境で稲を育てることができます。
田植え後はさみしい姿、ゆっくりした生育で、出穂40〜30日前ごろの生育中期にもっとも旺盛になり、収穫期に向けておだやかに色がさめていく――こうした生育パターンを、その文字の形状になぞらえて「への字」稲作と呼ぶ。故 井原豊さんが提唱したイネつくりで、88年の現代農業に連載以来、全国にこの名称が広まった。
当時、指導機関が農家に勧めていたのは、速効性の化成肥料を使っての早期茎数確保型の稲作(V字型稲作)。それに対して井原氏は、化学肥料の元肥チッソゼロ、出穂45日前前後の硫安一発施肥で、必要な茎数は幼穂形成期(出穂25日前頃)までにとればいいというやり方を基本にすることを提案した。なんといっても肥料代が安くすむこと、しかも病害虫の被害が少ない健康なイネに育ち、倒伏もしにくいということで、とくにコシヒカリをつくる農家に喜ばれた。
あくまでも生育パターンが「への字」であればいいので、施肥のやり方は硫安一発に限らない。地力に合わせて元肥化学肥料チッソを少量やってもいいし、身のまわりで安く手に入る、米ヌカ・堆肥・緑肥などの有機物を元肥として生かす「有機元肥一発」のへの字も可能だ。
への字稲作でつくったお米は食味もいいといわれている。
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