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農薬:栽培期間中不使用自然栽培米 南魚沼産コシヒカリ 12.01 籾殻から作った究極のエコ“木材”がドイツで誕生!

家具やフローリング、プールサイドにと活躍の場が急拡大!

2010.12.01(Wed)JBプレス シュピッツナーゲル典子

高級感や温かみのある風合いが魅力の木製家具やフローリング。うっかりこぼしてしまった飲み物でしみがついてしまった。水分を吸った表面がふやけたりカビが発生したり。こんなはずじゃなかったのに・・・と、手入れに意外に手間がかかり不便を感じている人も多いのでは。

 そんな不便を解消する画期的な家具用材「リシスタ」がドイツで登場した。リシスタを用いた製品は、熱や湿気による収縮や変形がなく、汚れも水でふき取るだけ。

 しかも、籾殻というゴミを主な原料としているため、究極のエコ材でもある。熱帯林を乱伐から守る新たな環境保全の取り組みとして家具産業界から大きな期待が寄せられている。しかも廃材となったリシスタの50~60%は再利用が可能で、燃やしても有害なガスは発生しない。

リシスタの主原料は焼却処分する籾殻!

この材料を開発したのが、ドイツ・ミュンヘンのミュンヘン・ブールバード.モービル(以下MBM社)を経営するマルクスさんと弟のベルント・ドゥナさん(右の写真)。

 MBM社によれば、リシスタの原材料は「籾殻60%、岩塩22%、ミネラルオイル18%のハイブリッド素材」だそうだ。詳細は未公開だが、籾殻と合成樹脂のような重合体を加工した家具用材とでもいおうか。

 マレーシアで板状に加工された(業務委託)素材リシスタは、インドネシア・ジャワ島とベトナムのMBM製作所でいすやテーブル、フローリング材などに製品化している。

 リシスタ製品の人気のポイントは、「見た目は木のように高級で温かみがあり、手入れは木よりも簡単、環境保全にも貢献」ということ。

リシスタは、削る、研ぐ、磨く、切断、接着、ねじ止めなど木材と同じような取り扱いができる。温度や湿度の変化によるそりや曲がりなども全く生じない。

 太陽光線による熱抵抗性にも強く、重量は、木材の種類にもよるが、木製品とほぼ同じだそうだ。

 リシスタの表面は、水分をはじくのでふやけも生じないうえ、破片やとげもできない。フローリング上を素足で歩いても怪我をする心配もないし、表面にたまった水分ですべることもない。

 湿度が高いと繁殖しやすい細菌やカビの発生もない。通常の汚れなら、水でふき取るだけと手入れもごく簡単だ。

メインテナンスには、家具の表面に上塗液やオイル(250ミリリットル入り・15ユーロ前後)を必要に応じて塗るだけ。いすやテーブルの色に飽きたり、模様替えをしたければ、リシスタ専用塗料をひと塗りするだけで全く違った木材の色合いを楽しむこともできる。

 フローリングの価格帯は、1平方メートル当たり110~130ユーロ。テーブルは、長さやフォームにより価格は様々で75センチの丸テーブルなら169ユーロほど。

 幅100センチ、長さ220センチ、高さ約74センチの長方形テーブルなら1199ユーロ。ビーチチェア(幅65センチ、長さ201センチ、高さ約36センチ)は699ユーロ。いすは大きさにより119ユーロから269ユーロ。どの製品も15年間の品質保証が付く。

今のところ、リシスタ製品は屋外用家具とフローリングを販売。来年からは屋内用の家具も販売していく予定だ。総売上高は未回答だが、リシスタ製品の売上高は全体の20~25%を占めるそうだ。

 「リシスタ製品は、木製よりも値段がやや高めだが、ニーズはあるはず」と、MBM社マーケティングマネジャーのローランド・シュトイバー氏。

 景気悪化の影響で、旅行好きのドイツ人も遠出を控えている。その代わりに自宅で過ごす毎日の生活を優雅にしたいと高級家具や電化製品に投資する家庭が増えているからという。

 リシスタ製品は、2008年から本格的な販売を開始した。ガーデン家具専門店トーマスや通販最大手のオットー、MBM社販売提携店を通して注文に応じている。

開発には10年費やし、熱帯林原産国の雇用にも貢献!

MBM社は、現CEOの父親ヨセフさんが1954年創業し、2代目CEOマルクスさんとベルントさんが1983年より経営を引き継いだ。

 開業以来、アルミニウム、鉄鋼や木材を用いたガーデン家具販売専門店として、製品のデザイン・生産・販売を手がけている。

 客層は、レストランやホテルなど接客サービス業界の店舗が多い。同社の製品は、ジャワ島に2カ所ある自社製作所で生産している。

 MBM社の国内社員数は、65人。このほかヨーロッパを中心に、インドネシア、北米、南米、南アフリカ、オーストラリアなど全世界に2000人の従業員を抱える。

 リシスタ開発のきっかけは、約10年前、インドネシア政府の方針で熱帯林伐採が制限されたことから。

 その頃からインドネシアでは天然木材が減少、品質も劣るようになり、家具製作にも支障が出始めた。MBM社は、環境保護を進めていくことには賛同したが、現地従業員の解雇はしたくなかった。

 国連食料農業機関(FAO)の世界森林資源評価2010(The Global Forest Resources Assessment 2010)によると、世界の森林面積は40億ヘクタールほど。森林の減少の約31%が木材生産を目的にした伐採によるものと推定されている。

 2000~2010年に、森林面積は毎年520万ヘクタール(推計値、コスタリカの国土面積とほぼ同じ)ずつ減少しているという。

 1990~2000年の年間830万ヘクタール減に比べると、今のところ森林減少速度は低下しているものの、世界で最も減少が大きかったのはブラジルとインドネシアだった。

 そんな中、MBM社はインドネシア政府自然保護政策の後援を得て、天然木材の代用品となる素材の開発研究を始めた。インドネシアに育つあらゆる木材や植物を用いて試行錯誤を繰り返した。

 その結果、着目したのがアジア人の主食である米の籾殻だった。籾殻は、それまで焼却処分をしていたものを再利用するので原料コストが一切かからない。しかし、製品化するまでには10年もかかったそうだ(シュトイバー氏)。

 2009年末より、同社ジャワ島の製作所では、チーク材やイペ材など熱帯林の使用を全面的に取りやめた。長年木材を用い家具製作をしていた現地の職人たちは、取り扱いが簡単で作業も進めやすいリシスタを使い仕事を継続することができると大満足している。

顧客の評判も上々、日本にもまもなく上陸!

リシスタ製品を利用している顧客の評判も上々のようだ。

木材は、時間がたつと色あせや色がくすんだり、しみができるので何かと手入れが厄介。リシスタは、木材に比べて割高だが、色あせも全くなく、水や食べ物のしみもできない。プールサイドのフローリングや家具に最適」と、イタリア・チロル地方でウェルネスホテル・クウェレンホーフを経営するハインリッヒ・ドルファー氏。

 同ホテルのウェルネス部門設計担当をしたシュレットラー社プランニング部長メラニー・ブリゲトさんは次のように語る。

 「客がテーブルの赤ワイングラスをひっくりかえしてしまったが、しみができなかった。また、海水セラピー時に塩水が飛び散るが、フローリング表面の変形や色あせなどが全くない。プールサイドの床を頻繁にふき取る必要がなくなった、素足で歩いても滑らない」

 多くのレストランやウェルネスホテルの経営者たちから喜びの声が届いていると満足顔だ。

 ウィーン国際ホテルマネジメント社イザベラ・フレンさんは「リシスタは、持続可能な未来の建築材」と絶賛する。

 最後にシュトイバー氏がニュースを1つ教えてくれた。来年1月より和歌山県海南市のガーデン用品販売会社タカショーを通して、リシスタ製品が日本市場へお目見えする予定だという。

 うっとうしい梅雨や蒸し暑い夏など湿気が多い日本でも手入れが簡単なリシスタ製品なら気軽に使えること間違いなしだろう。

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