「新潟州(新潟都)」構想について共同会見で発表する泉田裕彦知事(右)と篠田昭新潟市長=25日午前11時30分ごろ、新潟市役所
2011.1.25 13:58 産経ニュース
新潟県の泉田裕彦知事と新潟市の篠田昭市長が25日、共同で発表した「新潟州」設立構想。
大阪府の橋下徹知事が代表を務め、大阪都構想を提唱している地域政党「大阪維新の会」の松井一郎幹事長は「全国にこれが広がれば、それだけでも巨額の財源が出てくる。日本の成長につながる」と評価。「民主党がいまやらなければならないのは行政の構造改革だ。これをやらなければ、増税なんて世間に受け入れられない。ただ、新潟の議会がどういう対応をするかが問題だろう」と語った。
また、大阪府幹部は「基礎自治体と広域自治体を峻別(しゅんべつ)するという考えであれば、大阪での議論と同じだという印象を受ける。日本全体でこのような動きが出始めれば、大阪都構想に対する見方も変わってくるのではないか」と関心を示した。別の府幹部も「地域にあった自治制度をつくることは重要。どんなプロセスでこうした結果になったのかを知りたい」と話した。
◇新潟県と市に合併構想 「新潟州」設立へ 知事と市長が表明!
2011.1.25 12:38 産経ニュース
新潟県の泉田裕彦知事と新潟市の篠田昭市長は25日、共同会見し、県と同市が合併し「新潟州」の設立を目指す構想を明らかにした。国の地方主権改革が停滞する中、県・市の二重行政を排し、自治権強化を図るとしている。
新潟州について、「東京都と特別区の関係を参考にさらなる権限拡大を検討する」と指摘。州と特別区の権限配分などについては、「住民の自己決定ができる仕組みを作る」(泉田知事)とし、地方自治法を抜本改正し、国の関与の廃止を求める。
今後は検討委員会で具体的な構想を詰める方針。新自治体の名前も「州」にこだわらず、「都」も含めて検討する。スケジュールについても議会、住民などに図りながら進めるとして明示しなかった。
篠田市長は「司令塔を1つにし、より自治度の高い地方自治体をつくる。地方自治の在り方に一石を投じたい」と実現に意欲を示した。
◇地域主権には民意向上が不可欠 “新潟州”で経団連会長!
2011.1.25 17:39 産経ニュース
日本経団連の米倉弘昌会長(住友化学会長)は25日、広島市内のホテルで中国経済連合会との意見交換後に記者会見し、新潟県の泉田裕彦知事と新潟市の篠田昭市長が同日、県と同市の合併による「新潟州」設立構想を発表したことについて「根底には地域主権がある。本年を平成の開国元年とするなら、(地域主権に向けた見直しも)大いに推進すべきだ」と理解を示した。
ただ「経済3団体も道州制の実現をめざし国民会議を立ち上げて活動しているが、経済界と官側の意識に温度差がある」と指摘。「実際に実施するとなると首長や地方議会の数が減るので官側のインセンティブが働かない。実現には住民の意識をかきたてることが大事だ」と話し、「(地域主権で)どれだけ政治行政が改善され、住民の生活がどれだけ便利になるかを示すことが大事だ」と語った。
同席した中国経済連の福田督会長(中国電力会長)も「県単位より大きな枠組みで考えないと日本は持たない。実現に向け真剣勝負で取り組むべきだ」と同調した。
一方、今後の景気について米倉会長は「去年の今ごろに比べると今年はまだましだ」と分析し、雇用も個人消費も一服感があるものの「今後は世界経済の回復に引っ張られて回復してくるだろう。年後半からは良い方向に向かうのではないか」と楽観的な見通しを示した。