無洗米
3月28日(月)7時57分配信 産経新聞
東日本大震災の影響で、とがずに炊ける無洗米に注文が殺到している。東洋精米機製作所(和歌山市)の加工会社「トーヨーライス」は最大3倍の増産態勢で、和歌山工場と関東工場(埼玉県)はフル稼働で生産している。
同製作所によると震災発生の11日以降、首都圏を中心に取引先からの発注が急増。ふだんは月約500トンを生産する和歌山工場で約1・5倍、月約1千トンの関東工場では約3倍のペースという。ただ、関東工場は東京電力の計画停電地域のため日中だけでは追いつかず、現在は24時間操業。和歌山工場から応援の従業員約20人を派遣しているという。
取引先の多くは販売業者や加工業者のため、米の流通先は不明だが、同製作所は被災地への救援物資や備蓄用の買いだめに供給されているとみている。
同製作所では、社員2人が宮城県南三陸町の避難所で無洗米700キロを持参して炊きだし。関博行・企画部長は「『食べ物があって初めて家族の捜索や片づけができる』と被災者からの声を聞く。無洗米が必要とされる今、社員総出で対応する」と話している。
無洗米はとがずに炊けるため、使用する水が少なく済む。同製作所によると、市場に流通する無洗米の約7割がトーヨーライス社製という。