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農薬:栽培期間中不使用自然栽培米 南魚沼産コシヒカリ 04.19 欧州の有機志向、チェルノブイリで加速!

チェルノブイリ原発事故発生から2011年4月26日で25年を迎える。当時、欧州では放射線の飛散拡散を受け汚染された農作物が庶民を脅かした。ドイツ・バイエルン州の森林周辺では、いまだに野生きのこから放射性物質が検出されている。

この放射能汚染事故を機に、安全な食べ物を食したいと健康や環境への関心が高まり始めた。欧州委員会では、1991年有機農業に関する規制 (EEC 2092/91) 「有機農産物栽培規正法」を制定、有機農産物の生産と販売に拍車がかかった。

ドイツ連邦統計局2010年の統計によれば、農薬や化学肥料を使わない有機農作物の売上高は前年比8%増の59億ユーロに達し、全農産物総売上高の5%を占めた。2000年の総売上高(21億ユーロ)と比較すると、この10年間で2.5倍以上の売上高にのぼり、好調な伸びを見せている。有機農産物の市場価格は大量生産品に比べて割高だが、今回の福島原発事故を受けて、今後さらに有機農産物の売上高は急増すると推測。
ドイツ人が環境を強く意識する契機となったのは、70年代戦後経済復興の拠点地であったライン・ルール工業地帯から排出される「ばい煙」による大気汚染だった。これにより、多くの活動家が「次世代の為に自然を守る責任がある」と主張し、有機農作物や自然エネルギーの利用を呼びかけた。

東京・高円寺で開かれた日本初の大規模脱原発デモには1万5千人が参加したというが、ドイツの脱原発デモは1977年に始まった。ドイツ初の脱原発デモでは、オランダとの国境近郊ノードライン・ウェストファレン州カルカー原発建設用地で5万人以上が参加した。その2年後に脱原発や環境保護をスローガンとする「緑の党」が結成された。

76年イタリア・セベソ地方の農薬工場爆発事故によるダイオキシン汚染、86年チェルノブイリ原発事故による土壌・農作物放射線汚染など、欧州内では健康への悪影響を及ぼす事故が相次ぎ、有機志向や自然エネルギーへの方向転換が加速した。

カルカー原発は、建設当初の予算5億マルクを大幅に上回る70億マルクの費用をかけ85年に完成した。これに対してノードライン・ウェストファレン州議会は、連邦政府の同原発稼動認可を得たものの、翌年発生したチェルノブイリ原発事故の影響もあり稼動を拒否、始動することなく凍結された。
日本人の環境意識はきわめて高い。しかし有機農作物の浸透、自然エネルギーの導入拡大や地球温暖化への実際の行動には前進があまりみられない。今それを実際の行動に移すときがきたのではないだろうか。
(ドイツ=シュピッツナーゲル典子)

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