米・食味分析鑑定コンクール:国際大会
南魚沼産コシヒカリ 05.03 新潟日報
県産米、品質・食味が伸び悩み―2000年代、1等米比率全国平均下回る76%―
2010年の記録的な猛暑で1等米比率が21%と、前年比70ポイント近く下落した本県。ただ、近年は北海道など主なコメどころと比べて品質が伸び悩んでいる上、気象変動によるダメージも大きく受けている。
「王国」復活には抜本的な対策が欠かせない。農林水産省の資料を基に、本県に次いで生産量の多い北海道、秋田県などと比較した。1980年代に本県と秋田県の1等米比率は80%前後でほぼ拮抗。30%前後に低迷する北海道とは大きな格差があり、全国平均より10ポイントほど高い水準にあった。しかし、90年代に秋田県の1等米比率が平均10ポイントほど上向いたのに対し、本県は横ばい。90年代後半には急速に品質を向上させた北海道にも追い越された。
2000年以降に本県は04年の台風と水害、10年の猛暑で品質が急落したが、北海道と秋田県は比較的安定した品質を保った。
2000年代の平均1等米比率は、コメ生産量の多い上位10道県のうち本県以外は80~90%。本県は76%にとどまり、全国平均の77%も下回った。過去30年間で1等米比率が90%を超えた回数も、本県はわずかに09年産の1回だが、秋田県は12回、宮城は9回、山形は8回に上る。
県経営普及課は「本県は南北に長く、気象リスクに遭いやすい面がある。全県一律のの栽培方法ではなく、地域ごとにどう品質をよくしていくかが重要」と指摘する。
1等米比率に表れる見た目はまだしも、食味評価も思わしくない結果が続いている。昨年11月に島根県で開かれた「第12回お米のコンクール」(米・食味鑑定士協会主催)で、総合部門の金賞と特別優秀賞の受賞者41人のうち本県は2人。群馬県の8人や山形、長野両県の6人と比べると劣勢ぶりが目立つ。本県の1等米比率が90 %を超えた1昨年の第11回はゼロだった。
静岡県が主催する「お米日本一コンテスト」でも、受賞者9人のうち県勢は2年連続ゼロ。同県によると「コメどころとして認知度が高い新潟県などでは、出品にメリットを感じないのかもしれない」という。
米・食味鑑定士協会は「新潟米の食味は落ちている。山形のつや姫など新品種だけでなく、他県のコシヒカリにも押されている。もう一度、日本一のコメを目指してほしい」と強調した。