2011/5/25 Impress Watch
ソフトバンクと19道県は25日、自然エネルギーを普及促進することを目的とした「自然エネルギー協議会」を7月上旬に設立することで合意した。太陽光や風力、地熱などの中小規模の発電所を全国に分散させるとともに、自然エネルギーの普及促進に必要な政策を提言していく。
19道県は用地を提供し、ソフトバンクは資金や技術、運営を担当する。同社の孫正義社長によれば、資金は「ソフトバンクグループの連結売上3兆円のうちの数%」を社会貢献の一環として投じる。協議会では、2020年までに自然エネルギーだけで1.5億kWを発電し、日本で使用する全電力の30%を自然エネルギーで調達する方針を打ち出している。
太陽光発電に関しては、国内の休耕田や耕作放棄地にソーラーパネルを設置する「電田プロジェクト」を推進し、2020年までに5000万kWの電力を確保する。住宅や工場の屋根に貼り付けるソーラーパネルなどとあわせて、太陽光で1億kWの調達を見込んでいる。協議会ではさらに、風力や地熱などでも2020年までに合計5000万kWを発電する計画。
孫社長はこのほか、自然エネルギーを普及促進させるには、1)全量買取制度、2)送電網への接続義務、3)用地の規制緩和――が不可欠であると指摘。協議会は政府や電力会社に対して、こうした政策面の提言も行っていく考え。
協議会は、孫社長が自然エネルギー普及促進に積極的な同県知事に声をかけるかたちで発足した。参加を表明した19道県は、北海道、秋田県、埼玉県、神奈川県、福井県、山梨県、長野県、静岡県、愛知県、三重県、岡山県、広島県、香川県、高知県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県。