水田で餌をとるトキ。生物多様性を守る環境保全型の農業が取り組まれている=新潟県佐渡市
「白米の千枚田」は海岸沿いの斜面に1004枚の小さな田が幾何学模様を描く=石川県輪島市
2011年6月8日 asahi.com
伝統的な農業や文化風習の保全を目的に国連食糧農業機関(FAO)が認定する「世界農業遺産」に、石川県の能登半島と新潟県の佐渡島が選ばれる見通しであることが、関係者の話でわかった。
2002年に始まった制度で、先進国から認定されるのは初めて。11日の中国・北京の会議で正式決定する。
能登半島は1千枚を超える棚田が並ぶ「千枚田」など人の手を適度に入れることで保たれる「里山」が点在。海女漁や揚げ浜式製塩など海の恵みを生かす「里海」文化も継承している点が評価された。
佐渡島は国の特別天然記念物トキをはじめ、ドジョウやカエルなど多様な生物を育む水田づくりを進めていることが認められた。
昨年12月、能登8市町と佐渡市が認定を申請していた。過去に認定されたのは、ペルー「古代バレイショ農法」や中国「水田養魚」など8地域。認定地域は伝統的農業などの保全計画をつくり、FAOに年1回報告する。(生田大介)