YouTube 2011年7月新潟・福島豪雨の被害、南魚沼市で撮影
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平成23年7月新潟・福島豪雨 (Wikipedia)
2011年8月3日 毎日新聞
新潟・福島豪雨で県内農業は深刻な被害を受けた。県によると、農作物の被害面積は水稲を中心に17市町で計1万2147・7ヘクタール。全容はまだ不明で、実態調査が進むにつれ、被害は更に拡大するとみられる。「魚沼産コシヒカリ」の被害も相次ぐ。産地の南魚沼市では水田が冠水し、土砂に埋まるなど無残な姿をさらす。
【神田順二、畠山哲郎】
土石流が襲った南魚沼市土沢地区。水田は大量の土砂で埋まっていた。江部研治区長は「復旧のめどは立たない」と嘆く。
同市では、168カ所の水田計約70ヘクタールが土砂に埋まった。被害額は21億1000万円に上る。旧六日町地区が約30ヘクタール、旧塩沢地区が約40ヘクタールで、登川は魚野川との合流地点で登川の両岸の堤防が決壊し、中之島、上田地区の水田に土砂が入った。土沢地区では、高倉山(1143メートル)で発生した土石流により約2ヘクタールの水田が土砂で埋まった。
間もなく迎える出穂期には水田に水が必要だが、塩沢から大和地区へ農業用水を送る用水路が壊れて約700ヘクタールに送水できない可能性も出ている。地元は懸命に仮復旧を急ぐ。魚沼産コシヒカリを守るため、井口一郎市長は「最悪の場合、消雪用の井戸を使うか、発電機でポンプアップしてでも水を確保する」と熱意を示す。
冠水した水田も多く減収は否めないが、井口市長は「土砂が入った水田は、市内の全耕作面積(約4800ヘクタール)の70分の1にとどまったのが不幸中の幸いだ。これからは管理を十分にして良質米を作ってほしい」と話す。
一方、果樹栽培も大きな被害を受けた。県内有数の果樹産地である新潟市南区大郷地域。信濃川の堤内地にあるナシ畑では、泥をかぶったナシ棚があちこちで見られ、ナシの実の水洗いも手付かずの所が多い。
農家はナシの実の袋を取り除き、農薬散布用の噴霧器で丁寧に水洗いをしていた。農家の男性は「売り物になってくれるか心配だ」と不安を募らせた。
県が2日に発表した農作物被害の面積は水稲を中心に17市町で計1万2147・7ヘクタールに上る。被害調査がまとまっていない自治体もあり、規模はさらに拡大するとみられる。
最も被害面積が大きかったのは、三条市で4616・7ヘクタール。次いで長岡市1945ヘクタール▽上越市1872ヘクタール▽加茂市1412・1ヘクタール。種類別では、水稲1万840・9ヘクタール▽大豆965・2ヘクタール▽果樹214・2ヘクタール▽野菜や花卉、牧草127・4ヘクタール。
県によると、キュウリ▽ナス▽ネギ▽ホウレンソウ▽キャベツは、浸水から最大24時間以内で枯れたりして出荷できなくなることが多い。水稲も、水につかった時間が長く、水の濁りが強いほど、被害が出やすくなるという。
被害軽減のため、県は農作物の管理対策をホームページ上で公表。農家に対し早めに田や畑の水を抜くことを呼びかけ、農作物ごとの対応策を示している。各地域振興局に相談窓口も設置した。