セシウム
南魚沼産コシヒカリ 08.19 zakzak
茨城県は19日、福島第1原発から約150キロ。離れた鉾田市で栽培された早場米の収穫前検査で、微量の放射性セシウムが検出されたと発表した。東京電力・福島第1原発事故後、コメから放射性物質が検出されたのは全国で初めて。
茨城県によると、検出されたセシウムは玄米1キログラムあたり52ベクレルで、国の暫定基準値(同500ベクレル)を大幅に下回った。
茨城県は16日に鉾田市内の3カ所の田で「あきたこまち」などの玄米を採取、東京の民間機関で検査していた。セシウムは3カ所のうち1カ所の玄米から検出された。
放射性物質検出の一報を受け、茨城県庁17階の産地振興課では、職員が電話対応に追われるなど慌ただしい様子。担当者は「あまり大騒ぎしてほしくない。風評被害になってしまうと地元へのダメージは深刻だ」と困惑した表情を浮かべ、別の部署の男性職員は「野菜や魚介類に続いてコメまで検出されるとは…」と絶句した。
昨年産のコメの作付面積が全国5位の茨城県は、福島第1原発事故を受け、県内のコメの検査を始めたばかり。同課の担当者は「暫定基準値を大幅に下回っているので、今後も粛々と検査を続ける」と話した。