2011年10月6日 asahi.com
東京電力福島第一原発の事故による放射能汚染について、文部科学省は6日、航空機から測定した放射性セシウム134と同137の土壌の蓄積量について、東京都と神奈川県を加えた汚染マップを発表した。東京は葛飾区や奥多摩町、神奈川では山北町など一部で比較的高い汚染が確認されたが、首都圏での広がりは見られなかった。
調査は9月14~18日、上空から放射線量を測定。地上の数地点で実際の土壌の濃度も調べ、両者の値から積算量を算出した。
放射性物質の量が半分になる半減期はセシウム134が2年で、137は30年。長期に影響がある137だけの土壌の蓄積量でみると、1平方メートルあたり3万~6万ベクレルだったのは、東京都は葛飾区と奥多摩町の一部で、神奈川県ではなかった。東京では葛飾区や奥多摩町に隣接する江戸川区、足立区、檜原村などの一部で1万ベクレルを超えたが、それ以外はほとんどが1万ベクレル未満だった。神奈川では山北町、相模原市緑区、清川村の一部は1万ベクレルを超えたが、それ以外の地域は1万ベクレル未満だった。チェルノブイリ原発事故ではセシウム137が3万7千ベクレル以上が「汚染地域」とされた。ただし強制避難の基準は55万ベクレル以上。
放射線量を見ると、葛飾区と奥多摩町の一部で毎時0.2マイクロシーベルトを超えた。1年分に計算すると、国の除染支援の対象になる年間の追加被曝(ひばく)線量1ミリを超える値だ。(石塚広志)