尾瀬
2011.10.15 SankeiBiz
群馬など4県にまたがる尾瀬国立公園(約3万7200ヘクタール)のうち、東京電力が保有する4割の土地の管理を誰が負担するかで調整が難航している。福島第1原子力発電所事故の損害賠償費用捻出のため、東電は湿原に渡した木道などの公園管理を国に移管したい意向。だが、地元自治体は東電に「現状維持」を求めており、議論は平行線だ。
「東電が管理していなければ今シーズンの入山者はさらに激減し、山小屋など地元経済へのダメージは計り知れなかった」
尾瀬を抱える群馬県片品村の千明(ちぎら)金造村長は、フジサンケイビジネスアイの取材にこう答えた。その上で、5月に始まり間もなく終わる登山シーズンを振り返り、「東電との間には長年にわたり築いた信頼関係がある」と訴えた。
昨年度は約35万人近くが訪れた尾瀬だが、今年は原発事故の影響でミズバショウの盛りの時期でも登山客はまばら。そこに、7月末の豪雨で登山道が被害を受けた。東電はニッコウキスゲなどが咲く夏の観光シーズンに配慮し、3~4日で木道などを修復した。その一方で、国の管理地は復旧が遅れ、客足にも影響したという。
東電は水力発電の水源地として尾瀬を保有し、湿原保護などに年間約2億円を拠出している。賠償費用捻出のため一時は国への土地売却も検討されたが、東電の西沢俊夫社長は「下流ダムの水源で電気の安定供給に欠かせない」と継続保有する考えを示す一方、「運営費については見直す」と削減を打ち出した。
群馬など4県にまたがる尾瀬国立公園(約3万7200ヘクタール)のうち、東京電力が保有する4割の土地の管理を誰が負担するかで調整が難航している。福島第1原子力発電所事故の損害賠償費用捻出のため、東電は湿原に渡した木道などの公園管理を国に移管したい意向。だが、地元自治体は東電に「現状維持」を求めており、議論は平行線だ。
「東電が管理していなければ今シーズンの入山者はさらに激減し、山小屋など地元経済へのダメージは計り知れなかった」
尾瀬を抱える群馬県片品村の千明(ちぎら)金造村長は、フジサンケイビジネスアイの取材にこう答えた。その上で、5月に始まり間もなく終わる登山シーズンを振り返り、「東電との間には長年にわたり築いた信頼関係がある」と訴えた。
昨年度は約35万人近くが訪れた尾瀬だが、今年は原発事故の影響でミズバショウの盛りの時期でも登山客はまばら。そこに、7月末の豪雨で登山道が被害を受けた。東電はニッコウキスゲなどが咲く夏の観光シーズンに配慮し、3~4日で木道などを修復した。その一方で、国の管理地は復旧が遅れ、客足にも影響したという。
東電は水力発電の水源地として尾瀬を保有し、湿原保護などに年間約2億円を拠出している。賠償費用捻出のため一時は国への土地売却も検討されたが、東電の西沢俊夫社長は「下流ダムの水源で電気の安定供給に欠かせない」と継続保有する考えを示す一方、「運営費については見直す」と削減を打ち出した。