2011年10月19日 ゲンダイネット
党内議論なんてアリバイ作り<話し合う前に結論ありき>
民主党内でTPP参加の是非をめぐる議論が過熱しているが、しょせんは茶番だ。11月のAPECで、野田首相が参加表明することは、すでに決まっているという。そこから逆算した“工程表”まで存在するのだ。
「今月初め、野田総理から、TPP参加表明に向けた事務的な準備に着手するよう指示がありました。担当者の間では、11月12日のAPEC首脳会議で参加表明するまでのカレンダーが出回っています」(霞が関幹部)
それをまとめたのが、記事末尾の表である。ひと目で分かるように、APECまでに結論が出るよう逆算して、スケジュールを組んでいる。そのための仕掛けも着々だ。
TPP交渉参加の是非を話し合う「経済連携プロジェクトチーム(PT)」が先週から本格稼働し、総会が始まったが、座長や顧問、事務局長など役員の9割方がTPP推進派で固められた。
「役員の人選があまりに推進派に偏っているため、山田正彦前農相が、輿石幹事長と樽床幹事長代行に抗議したほどです。党内には反TPPの『慎重に考える会』メンバーが191人もいる。役員の半分が慎重派でなければおかしいのです。こんな偏った人選で公正な議論なんてできません」(TPP慎重派の民主党中堅議員)
せめて、慎重な議論が必要なのだが、このカレンダーを見る限り、“流れ作業”のアリバイ総会になる。フザケタ話だ。
「PT総会では、参加した際のメリットの話しか出てこなかった。『ワーストシナリオを知りたい』という声も上がりましたが、役所は資料を用意していなかった。デメリットのデータも出てこない。これでは議論にもなりません」(総会に出席した別の議員)
大増税もTPPも国民が知らないうちに、どんどん既成事実化が進んでいく。恐ろしいドジョウ内閣だ。
◆10月11日/役員会・今後の進め方の確認
◆10月14日/第1回総会
◆10月17日/第2回、第3回総会
◆10月18日/参院研修
◆10月19日/参院研修
◆10月20日/第4回総会
◆10月21日/第5回総会
◆10月24日/農業再生プランヒアリング
◆10月25日/第6回総会
◆10月26日/第7回総会
◆10月27日/第8回総会・執行部案作成
◆10月28日/第9回総会・執行部案提示
◆10月31日/第10回総会・まとめの方向性確認
◆11月1日/取りまとめ
◆11月2日/総会予備日
◆11月4日/仙谷調査会長に提言書提出
◆11月7日頃/連立与党党首会談
◆11月9日頃/与野党党首会談
◆11月10日/APEC開幕
◆11月12日 /APEC首脳会議で参加表明