私たちは 「龍ヶ窪の水と環境を守る会」を結成しました。
龍ヶ窪の水と環境を守る会
発起人 内山 緑 村山 晋 藤木 重次 涌井 茂 井上 好一 滝澤 礼子
... 龍ヶ窪は昭和62年に名水100選に認定されてからは、知る人ぞ知る全国的な観光スポットと...なり、訪れる人も年々増加しています。
この清らかでおいしい名水を求めて、今、企業が入り込み、水工場を建て、取水しようとの計画があります。年間6,000トンの取水という 湧水量に比べれば少量と見られる量であり、大手企業が、津南町龍が窪の名水と銘打って全国に販売してくれれば、津南町は一躍有名になり、観光客も増え、農業の町としての名も知られるようになり、企業が農作物をも買ってくれるのではないか、というのは確約のない甘い夢です。
龍ヶ窪は、この町に1万年も昔から営々と住みつづけてきた祖先たちがしっかりと守りつづけてきた大切な場所です。 現在も谷内、,岡の二つの集落が竜神様と弁天様をお祭りし守っています。7月の巳の日にはお祭りの神事を執り行い、集落の人々は、それぞれ弁天様参りに出かけます。この水に両集落は飲料水、生活用水、田んぼの水もすべての水を頼ってきたのです。赤沢の一部も同様です。しかし、一日で池の水が入れ替わるといわれる豊かな湧水量も、15年前の旱魃の年はさすがに不足し、下の田んぼに水が届かなくなりました。当時の集落の役員さんたちは、午前中はこちら、午後はあちら、夜は向こう、と駆け回り、みんなの田んぼに水が回るように大変な苦労をしたのです。それでも実らない田んぼもあったそうです。
このような事実を前にして、龍ヶ窪の水を企業に売ることなどできるでしょうか。この土地で暮らすためには命の水です。なおかつ、ジオパークの構想もある観光地として活かすためには、周辺に工場など建っていては幻滅です。 龍ヶ窪は苗場山麓開発をまぬがれた美しくも神秘的な小さな砦です。観光客は、その神秘的なたたずまいにあこがれて、ここを訪れるのです。ここに大規模取水のポンプが取り付けられるなどありえないことです。津南町はこうした風景の美しい環境を守っている、というそのことで観光価値を宣伝しなければなりません。
龍ヶ窪ばかりではなく、町全体がかけがえのない豊かな自然に抱かれて、縄文時代からのゆったりとした時間が流れている、こうした環境とここに住む人の優しさが育てた農産物を特化して売るべきです。どこよりも安全でおいしい作物をPRすることは 難しいことなのでしょうか。半年間の深い雪に埋もれた大地の恵みは大きいのです。
こうした観点から、私たちは以下の提案をします。
提案 [概要]
私たちは、エコツーリズムの流れに即した緩やかで先進的な龍が窪の活用を提案します。 私たちは龍ヶ窪の環境に重大な影響を及ぼすかもしれない井戸の掘削や工場建設に反対します。
しかし、龍ヶ窪の環境を守りつつ、地域資源を活用したビジネスを創出したいと思います。
その1
龍ヶ窪周辺の土地をナショナルトラスト方式により大規模開発や乱開発を防止する。
その2
龍ヶ窪散策道の立ち入りを人数規制し、エコツアーガイド等のエコツーリズム型観光により雇用・収益を発生させる。
●ナショナルトラスト運動とは?
「ナショナルトラスト運動は自然環境等を経済的な理由での無理な開発による環境破壊から守るため、市民活動等によって(土地や建物を)買い上げる・自治体に買取と保全を求める活動である。」
(ウィキペディア日本語版ホームページより抜粋)
もともと英国で、景勝地や歴史的建造物の保全を目的に始まったこの市民活動は、日本でも多くの環境保全先進地域で実施されています。
●龍ヶ窪周辺の現状
龍ヶ窪周辺森林の多くは多くの地権者が入り混じっており、中には不在地主もいます。これらの土地の一部は、「自然環境保全地域」に指定されているため、開発には県知事の許可を要するなど規制はあるものの、指定地区以外は将来にわたって営利企業に売り渡され、乱開発される危険性をはらんでいます。
●龍ヶ窪周辺地域とナショナルトラスト
龍ヶ窪および周辺地域をナショナルトラストすることで、地域の環境保全姿勢を明確にします。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AB%9C%E3%83%B6%E7%AA%AA