玄米 メタボ抑える “高脂肪食ダメ” 脳に指令 琉球大大学院教授ら特許出願 (2012年07月17日)
メタボリック症候群を玄米が抑える仕組みが、沖縄県の琉球大学大学院医学研究科(第二内科)の益崎裕章教授や同大学院の小塚智沙代さんらの研究で明らかになった。玄米に含まれる「γオリザノール」という物質が、脳に働き掛けて肥満の原因となる高脂肪食を敬遠するようになる。消化管からの脂質の吸収を阻害する効果も確かめた。益崎教授は「3食のうち1食を玄米食にするだけで十分な効果がある」と指摘する。
同症候群の男性に玄米を食べてもらう試験で、脂肪の多い食事を敬遠させる物質として「γオリザノール」を確認。マウスによる実験でその仕組みを解明した。
脂肪の多い食事は、間脳にあり体調の調節に関わる視床下部にストレスを与え、それがさらに高脂肪食への欲求を高めるという悪循環を招く。
実験では、マウスに玄米の成分を加えた餌を与えると次第に高脂肪食を敬遠し普通の餌を好むようになり、肥満や糖尿病が改善された。排せつ物の中性脂肪量の測定で、消化管からの脂肪吸収を阻害する効果も確認された。血糖値、インスリンの働きなども改善がみられた。
高脂肪食を敬遠させるための医薬品や飲食品の成分、飲食品添加物への利用について特許を出願中だ。
http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=15464