日本は数兆円分もの食糧を捨てている!小売業界の「3分の1ルール」
日本は年間2000万トンもの食糧を捨てています。
そのうち、500~900万トンが「まだ食べられる食品(食品ロス)」です。
900万トンを、単純に1キロあたり600円と考えて金額換算すると、なんと5兆4億円にもなります。
日本は、世界のさまざまな国からたくさんのお金を使って食料品を輸入しておきながら、一方で、まだ食べられる大量の食品を何兆円分も捨てているのです。日本の年間のコメ生産量が800万トン程度ですから、年間のコメ生産量と同じだけの食べ物を廃棄しているわけです。
「日本人は米粒ひとつも残さず大切に食べる」と言われた時代はどこかへいってしまいました。
なぜ、こんなにたくさんの食べ物を捨てなければならないのでしょう。
(1) 製造段階や流通段階、あるいは店頭で、缶詰の缶がつぶれてしまった、
段ボール箱の隅が破れてしまったなど、包装状況の理由による場合。
(2) 賞味期限の印字を間違えてしまった、賞味期限の印字の文字が薄かったなど、
法律上、定められた表記事項の表示ミス(規格外品)の問題。
(3) 夏向けに出していた商品が売れ残ってしまい、季節が変わってしまったなど、
時期を限定して販売していた商品が売れずに在庫を抱えてしまった場合。
(4) 棚に並んだ商品の回転が遅くて、賞味期限が迫ってきてしまった場合。
(5) コンビニエンスストアなどの「週に何個以上販売」という条件を
満たすことができず、定番からカットされてしまった場合。
(6) 特売や催事が終了したことにより、売れ残った場合。
(7) 倉庫に在庫を抱え過ぎて、その在庫の賞味期限が迫ってきた場合。
(8) 野菜を大量に生産したため、あるいは規格外品のため。
(9) スーパーマーケットなど小売業界で決められた
「3分の1ルール」にそぐわない場合。
この「3分の1ルール」というのは、
「納入期限は、製造日から賞味期限までの期間の3分の1の時点までに」
「販売期限は、賞味期限の3分の2の時点まで」
というものです。
賞味期限が、残り3分の1以下のものについては、商品としての販売を認めないということになります。
缶詰などの長期保存がきく食品の場合、賞味期限が3年以上あります。
仮に3年だったとすると、賞味期限が残り1年以上もあるにも関わらず、売り物にならず、安売りや廃棄の対象となります。
もちろん、企業によっては、臨機応変に対応している場合もありますが、額面通りに一律「3分の1」で対応する企業もあります。
一年以上も賞味期限が残っている食品を、はたして家庭で捨てるでしょうか。
http://www.oanavi.com/column/ide/201204/85993.php